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車楽をきっかけにしたSS車販再生への挑戦 2008年11月11日

何処へ行くのか? 2007年6月1日


車楽をきっかけにしたSS車販再生への挑戦

2008年11月11日

●危機を乗り越えるために
アメリカに端を発した金融危機が世界に拡大し、さらに実体経済にも深刻な影響を及ぼし始めています。日本経済のリーダーともいうべき自動車メーカーも売上げ台数が急速に落ち込み、計画の修正が始まりました。SS業界にはこれまでのグローバリゼーションの進行、地球温暖化問題、セルフ化といった大波に加えて、さらに新しい波が打ち寄せることになり、一層危機が深刻化しています。
こういう状況の下で、SS特約店に限って言えばできることは限られています。あれこれと状況を案じたり、行き場のない論議に時間をついやしてもどうにもなりません。当事者能力の持てない問題には目をつぶって、当事者能力の持てる問題に絞って行動を起こすべき時です。そういう意味から、特約店は今、何をなすべきかを考えてみましょう。
結論から言うと、今本当に特約店がしなければならないことは、ポテンシャルのあるSSの選別と、反対にポテンシャルのないSSの早急の整理です。こういう状況を放っておくと、すべてのSSが赤字構造になり、経営が決定的に悪化します。十分な採算性の計算もなしに、フルをセルフに転換する。あるいは赤字SSを閉鎖する。こうしたことをやっても、なかなか困難を脱することはできません。今のうちに、限られた資源・人材をポテンシャルのあるSSに集中的に投入し黒字化をはかることが現在のSS経営の最重要の課題になるということです。
さて、黒字SSづくりと言いましたが、これをもう少し具体的な数字から見ていきましょう。ざっと言えばフルで20円/リットル、セルフで10円/リットルというのが基準です。ところが、現在油外はかつてに比べるとかなり落ち込んでいます。現状を見るとフルで13円/リットル、セルフで5円/リットルというのが平均的な数字ではないでしょうか。煎じ詰めて言えば、100万円の油外が不足しているのがSSの現状なのです。
こうして見ていくと、あらためて注目されるのがTCS(トータル・カーライフ・サービス)と呼ばれる一連の商品群です。中でもマーケットが確実にあり、収益の幅が大きい車販の意味は重要になります。そういう意味で、私たちは勝ち残るための条件という観点から、もう一度車販全体を考えることが必要になったということができます。

●車販事業はなぜ失敗したか?
さてここで、SSの車販事業を一度きちんと総括してみることが必要です。私たちは4年前にCALNETを開発し、皆さんに勧めてきました。私自身はさらに10年程前から車販のしくみづくりにかかわり、それ以後のSSの車販の推移をずっと見続けてきました。ここで総括するとなると火の粉は私たちのところへも飛んできます。しかし、発展していくためには、それは仕方のないことです。いさぎよく過ちは認め、お詫びすべき点はお詫びしたいと考えています。
車販の現状から触れると、現在SSで車販事業に手を染めているところは推定で1,000社弱あると思われます。ところがSSの油外事業として一定の収益を確保しているところはごくわずかで、100社もありません。つまり成功率を見ると、10%以下だというのが実情です。CALNETの場合でも、一応の成功店は約3割から4割、残りは残念ながら低迷店もしくは失敗店ということになります。
CALNETの場合ははじめからそういうケースが発生することも想定していました。したがってシステム料金は低額化し、契約という形態をとりませんでした。だから低迷の場合でもあまりご迷惑をかけることはなかったと思いますが、私自身なぜ失敗するという問題を、ずっと考え続けて来たことは事実です。
そこで、私なりに考えた車販失敗の理由を整理すると次のようになります。
第一はSS側の原因です。5年ほど前、車販は「SSの新しい事業」ということで注目を集めた時期がありました。SS業界には「流行に弱い」という伝統があるようで、一種のブームになった車販に一斉に経営者がとびつきました。ところがこうしてスタートした車販は「本業としての位置づけ」「担当者の機能・位置づけ」「SS側の体制整備」といったことがすべてあいまいで、SSに根を下ろすことができませんでした。
今になって考えると、中古車販売というのは一つの事業です。SSとは全く異なる文化の中で成立したもので、簡単にSSに導入できるものではありません。結局本業として定着できないまま、担当者の周辺で細々と活動を続けるしか方法がないのが多くのSSのケースです。
第二の理由は、指導するFCが方針を誤ったことです。CALNETを含めて、すべてがオークション連携でシステムをつくったために、新車は最初から視野に入っていませんでした。また買い取りは査定技術の習得が難しいということで除いていました。それと同時に、中古車店のやり方をそのまま導入したために、SSの特性を考慮しない販売スタイルになってしまったことは先にも触れたとおりです。
担当者制をとったことも誤りでした。FCの言う専任担当者はSSの中に中古車店の社員を置くということで、SSに浸透せず浮き上がってしまいました。失敗店が相談しても、はじめからしくみづくりが間違っているのですから、収拾がつきません。結局のところFCというのは、中古車販売についてもSSについても素人で、SSが一番苦手なシステムをつくれるだけだったのです。FCの誤った指導方針とSS側のあいまいな姿勢が相乗的に作用して、SSの車販は惨たんたる有様になってしまいました。

●CAL研究会と「車楽」の出会い
こうしてSS車販をもう一度見直し、立て直していきたいと考えているところへ、今年3月の研究会の終わった後、山下石油の山下専務から「車楽」の提案がありました。私たちはもちろん残価設定ローンという新車販売の方式があることは知っていました。しかし、中古車販売も十分にできないのに、新車販売に取組んでも仕方がない。新車を半額で売れるといっても、残価部分の金利まで加算されるのではお客様を満足させられない……とむしろ否定的な意見をもっていました。
ところが山下専務の話を聞いているうちに、何か頭の中でピンと動くものがあったのです。「車楽」はある意味でこれまでの常識を破るものでした。この常識を破るということを拡大していけば、これまでと全く違った車販が構築できるかもしれないという考えが浮かんだわけです。それから、もう一度車販事業を立て直すにはどうすればいいかを考えながら、「車楽」の構想を少しずつ整理してきたというのがこれまでの経緯です。
ここで「車楽」の特長をわかりやすく整理すると、次のようになります。
@ディーラーより有利な価格で新車が販売できる。
ASSの特長を生かしたオプション販売で、付帯収益が上がるとともに、顧客との親密な関係をつくり出すことができる。 Bその結果、3年後に高品質の中古車が入庫し、中古車販売を活性化できる。

●「車楽」導入の3つのポイント
SSのこれまでの車販はオークションと連携した中古車販売が中心でした。新車は「儲からない」「ディーラーには勝てない」という考えから手を出さない。また買い取りには査定があり、素人では難しいオークションの出品があるということで、敬遠していました。それはそれとして理由のあることでしたが、結果から見ると、SS車販を狭い範囲に限定してしまうことになりました。
車楽」はこうした中古車中心というこれまでの考え方を根本から変えるものです。中古車から新車、さらに買い取りへと事業領域を拡大していくことで、車販の質自体も変わっていきます。その具体的な内容については後で触れる予定です。
これまでの車販の第二の問題は、中古車店のやり方をそのまま真似したために、一過性の販売に終わったことでした。せっかくSSはコーティングやメンテナンスという機能をもっているのに結びつけることができない。これを「車楽」を通して解決していかなければなりません。そこで、「車楽」では販売システム(車楽システム)とセットで顧客管理システム(愛車クラブ)を加えました。SSの特色を発揮して、コーティングやメンテパックをオプションとして販売する。それを顧客管理システムできちんとカバーし、リピーターにつなげる。それが高品質の中古車の入庫につながり、結果として中古車販売の活性化にも生かされることになります。
さらにSSの車販の第三の問題は、来店客の多いSSを拠点にしてるにもかかわらず、ほとんどその利点を活用できなかったことです。告知も不十分で店舗の演出もない。これでは顧客も車販をやっていることに気づかないし、売れるはずもありません。これは結局位置づけがあいまいなまま、流行に乗って車販を導入したことに行きつきます。
そこで「車楽」では拠点主義と、マネージャー(サブマネージャー)が車販の責任者になるという考え方を明確に打ち出します。先ほど車販の使命は1拠点で100万円/月の収益を達成することだと言いました。これを可能にするのがこの二つの条件です。
SSで毎月1回新車・中古車・買い取りの告知を行うことをルール化する。SSの店内に、新車・中古車の展示スペースを設置し、できるだけ多くの顧客に見てもらえるようにする。質問がある顧客にすぐ対応できるように、カウンターに教育を修了したスタッフを常駐させる。これが本業の車販の形です。
また、月100万円の収益をめざすためには、SSの責任者が同時に車販を担当し、初期対応についての心構えと知識をアルバイトを含む全スタッフに徹底させなければなりません。この二つをきちんとやっていただくことが、「車楽」導入の条件になるということです。
こうして取組んでいくと、月100万円の収益は決してかけ声だけではなくなります。仮に100キロリットル/月のSSで始める場合、固定客数2,000名、買い替えサイクル6.5年として、毎年の買い替え客は新車・中古車合わせて300名です。
そのうちの20%を顧客化すると、60名。販売と下取り(買い取り)を合わせると、80.100台。ほぼ目標に近い形になってきます。

●「車楽」が次にめざすもの
ところで、「車楽」については、これで終わりではありません。車販のマーケットと流通がここへ来てまた大きく変動しているからです。この変化を先取りした車販のシステムをどうつくっていくのか、次への挑戦がもう始まっています。
これまでSSの車販はオークションという機能を前提として形づくられてきました。つまり、@見込客を発見する A商談する Bオークションから車を購入する C受取から納車をするという手順です。
これは中古車店の売り方で、一言で言えば「複雑・高度」「安定性がない」「時間がかかる」という欠点があります。したがって、1台当たり15万円といわれる利益が必要でした。
しかし最近になって、肝心のオークションに変動が起こっています。オークションはここ数年情報化によって、急ピッチで系列化・大規模化が進んできました。それによってSSも車販に参加できるようになったわけです。
ところが巨大化していくにつれ、オークションがコントロール機能を失い始めました。同時に急速にモラルダウンが進みました。会場にはたくさんのサクラが出没し、セリ値を上げる。指値が事前に洩れるといったことはこれまでにも言われてきましたが、それが一層激しくなっていると言われます。また、会員側も顧客にセリ値を告げるといったルール違反をどんどんするようになってきました。
オークション業界はこのほか、景気低迷にもとづく需要の低迷、異業種からの参入・競争激化、異業種からの会員参加、海外からの買付けといったさまざまな課題に遭遇しています。この中でもう一度公正な車販取引の原則を回復できるかどうかについては疑問が残ります。むしろオークションと離れた車販の形を考えるべき時期が来ているのではないでしょうか。

●顧客依存型の車販システムとコストの低下
そこでこれからSSの車販を考えるにあたって、第一に取組むべき課題をあげると、「オークション依存型から顧客依存型の車販への転換」ということになります。さいわい私たちのSSは、大勢の顧客をもつという利点があります。この利点を生かして、「買い取った車をオークションを経由しないで販売する」システムをどうつくっていくかです。
取組むべき課題の第二は、中古車のチャネルのコストをどう下げていくかという問題です。現在のオークション流通では、中間の経費が買い取り店の収益、オークション出品のコスト、さらにオークションから買い取るために必要なコスト、販売店の収益があり、合計すると平均して40万円という額になります。しかし景気の低迷が続くようになると、こうした価格設定に不満をもつ層が拡大していきます。
ここで求められるのが「カテゴリーキラー」と言われるものです。すなわち、従来の構造を根本から打ち破る新しい業態の創造です。たとえばその代表的な例がコーヒーショップ「ドトール」です。バブルの時、喫茶店でコーヒーは一杯350.400円というのが相場でした。バブルがはじけた後、カテゴリーキラーとして登場したのが、コーヒーショップ「ドトール」です。きれいで快適な店内に、機能的なカウンター、コーヒーやサンドイッチ等の味もほどほどに良い。この三つの条件を満たした上でコーヒー代は180円と従来の半額になりました。客は一斉に動いて、またたくうちに昔ながらの喫茶店は姿を消してしまいました。
車販でも今求められているのはこうしたカテゴリーキラーです。オークション依存型ではなく顧客依存型の形態に転換するとともに、顧客数を4倍に増やして価格を大幅に下げていく。こういう販売システムをどうすればつくっていけるかが、「車楽」の第二の課題です。

●来年7月に新構想を発表
CAL研究会では「車楽」に続く第二ステップとして、「車楽」参加会員による中古車買い取り・販売の協同システム(愛車マート)を来年夏に発足させていく計画です。この「愛車マート」は@各SSが買い取った(下取り)車や顧客との合意で登録した車を本部に登録する A本部では価格を設定し、他SSに配信する B各SSはそれを出力し、店頭に掲示して販売する、というスタイルです。
毎週一定数の優良中古車を店頭に飾り、それを店頭で徹底して告知していけば、買い替えの時期を迎えた客は必ず見に来ます。その客にカウンターで的確に応対すれば、見込客を探すという困難な作業は大幅に軽減されます。また、これまでの車販では予定した車をオークションで落札できるかどうか。利益がいくらになるか。あるいは長引いた場合、商談を継続できるかどうかといった不安定要素を抱えていました。しかし、こうした販売方式にすると、そういう悩みは一掃されます。商談の時間も短くて済み、その後の納車までの時間も短縮されます。
こうしたことによって、どれだけ価格を下げることができるかは、いまのところわかりませんが、オークションを流通した車より10、20万円下げることはできると考えています。そういう評判が定着することによって、SSに客が集まり始める。同時に新車も買い取りも増え、SSの車販事業も本格的な軌道に乗るようになるのではないでしょうか。
もちろん、今までお話してきたことは大まかなアウトラインで、片付けなければならない課題はたくさん残っています。システムをどうつくっていくか。買い取りの場合、査定をどうするか、SS内で売れなかった車をどう処理するか、どのくらいのSSが参加すれば全体のしくみが動くか、価格の設定をどの程度にし、誰が決めるか、トラブルが発生した場合の調停・処理といったことです。
しかし問題は考えていく中で必ず解決できます。来年の前半には一定の回答が出せるように努力し、来年の半ば7月の研究会では、概要を発表していこうと考えています。ぜひ皆さんも、「車楽」にご参加いただいて、次のステップでは、それを発展させ、収益100万円が達成できるSSづくりに挑戦していただくようお願いいたします。


何処へ行くのか?

2007年6月1日

ここのところ毎年新しい年がやってくるたびにいい知れぬ不安を感じます。われわれは一体何処へ行くのだろうか。SS業界はいま単に混乱しているのではなく、もっと根本的なところで崩壊が進んでいるような気がしてなりません。

特石法廃止をきっかけに、SS業界にグローバルスタンダード化の波が押し寄せ、あらゆるものが一気に変わり始めました。業界をリードする元売りは、販売店支援という建て前とは裏腹に、自社のシェア拡大のため直売化、セルフ化の動きをムキ出しにしています。一方われわれ特約店・販売店側は相変わらず確たる方針もないまま右往左往し、あるいはエゴイズムむき出しの市況競争に血の道をあげています。それに加えてこの混乱に乗じて利益を上げようと狂奔するFCの数々……。いまやSSはこうした飢餓道の中で朽ち果てる他、道は残されていないのでしょうか?

いや、そうではないはずです。必ず道は残されている。それをわれわれ自身の不明と混乱の中で見失なっているのです。

こういう時、われわれに大きなヒントを与えてくれるのが、二宮尊徳の仕法です。二宮尊徳は、米に依存した経済が破綻し窮乏にあえいだ時代、藩や農村の立直しに尽力しました。その方法論を独自の言葉で仕法と呼んでいます。

彼は崩壊した村を立て直す第一の条件は「徳を掘り起こす」ことだとしました。徳とはわかりやすく言えばポテンシャルです。つまり、あれこれ他に道を探すのではなく、藩や村自体をもう一度徹底して見つめろということです。そのために勤勉が何より大切だと説きました。ここで勤勉というのは藩や村のそれぞれの構成員が、人としての本分を尽くすことです。われわれにとって、これは多くの示唆を含んだ言葉です。地域に根ざして何十年も営業を続けてきたわれわれのSSがなぜ今日の困難な状況を迎えているのか。混乱の中でいつの間にか徳を見失い、経営者も社員も本当の意味での勤勉さを忘れてしまっているところに、その原因があるような気がしてなりません。

私たちCAL研究会は2年前スタートしました。なぜこういう研究会をスタートさせたかというと、元売りにもFCにも本当にSSをサポートする気はない。だったらあれこれ文句をつける前に自分たちでSSの立場に立つシステムをつくり、普及させていこうと考えたからです。

いろいろな曲折はありましたが、愚直に2年間動いているうちに、仲間もだんだん増え45 社になりました。中古車販売のCALNETからスタートしたシステムも、TCSを推進するためにはオールインワンのシステム構築が欠かせない条件になるという考え方に発展し、CALPIT(車検・保険)CALBODY(鈑金)CAL愛車クラブ(顧客管理)へと開発を進めています。

これから、SSはますます厳しい状況になります。荒海を乗り越えるためには、SSを荒海を乗り切る構造に改革し、装備を整え、スタッフを鍛えていく他ありません。おそらく、勝負はここ数年でつくことになります。皆さんも多分同じことをお考えのことと思います。出会いは常に縁です。皆さんがこの文章を最後まで読んでいただけたら、多分それが縁です。もし、よろしければ鳥取までお出かけください。力を尽くしてこの苦境を乗り切ろうという仲間たちと出会え、勇気が湧いてくるだろうと思います